会長の挨拶 2018年
幅広い分野の会員組織化を目指して
日本高圧力学会会長 入舩徹男(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)
10年あまり前までは,何度か評議員・幹事を務めさせていただきましたが,ここのところこれらの役員を免除いただいておりました。できればこのままフェードアウトと密かに考えておりましたが,一昨年のAIRAPT会長任期終了と同時に副会長の打診をいただき,これをお引き受けした次第です。今回の選挙で会長に選任いただきましたが,あと2年あまりで一応の退職を迎えます。設立以来の会員として,長年お世話になってきた本学会への恩返しのつもりで,微力を尽くさせていただく所存ですので,どうぞよろしくお願いいたします。
このように,本学会運営において,かなりの期間のブランクがあり,2年前の副会長就任時は以前とだいぶ様変わりしている様子にやや戸惑いを覚えました。それでもこの2年間で多少は勉強させていただき,いくつかの課題も理解しました。最も大きな課題は,学会財政に深く関連した会員数,とりわけ正会員・賛助会員の減少傾向の是正かと思われます。これに関しては谷口前会長及び役員の皆様のご尽力により,学会の将来を見据えた会費値上げの断行や,より魅力ある高圧討論会を目指した新しい試みがおこなわれてきました。この間のこれらの改革の成果を踏まえて,さらに魅力ある学会活動をすすめたいと考えています。
高圧討論会が開始されてから今年の名古屋大での開催で58回を迎え,また本学会が設立されて28年になりますが,この間会員の研究分野が大きく変化していると感じています。地球科学や物性物理分野の会員が大幅に増加するとともに,最近では生命科学・食品科学分野の会員が増加傾向にあるようです。また,高圧討論会における発表数の減少が一時懸念された衝撃圧縮分野も,レーザー圧縮関連分野の発展に支えられて,復活の兆しがみえるのは喜ばしいところです。
一方で,討論会及び学会設立当初に大変重要な役割を果たした,化学や材料科学関連分野の会員数と討論会発表数が,やや減少傾向にあることが気になります。しかし全国的にみて,これらの分野に係る高圧科学技術の研究者は必ずしも減少しているわけではなく,本学会に十分に組織されていないだけのようにも思われます。学会財政のさらなる健全化・安定化,また高圧力に係るより広範な分野の研究者の結集のためにも,これらの分野を中心とした会員や賛助会員の拡大と,そのためのより魅了ある高圧討論会の開催など,会員にとって有益な学会事業の展開を目指したいと考えています。
本学会が直面している課題は色々ありますが,これらを一つずつ解決するとともに,本学会の大きな特徴である異分野間の交流をより一層すすめ,多様な分野の会員の皆様に「この学会に入って得ることが多かった」と感じていただけるような活動をすすめてまいりたいと思います。この2年間,ご協力よろしくお願い申し上げます。
このように,本学会運営において,かなりの期間のブランクがあり,2年前の副会長就任時は以前とだいぶ様変わりしている様子にやや戸惑いを覚えました。それでもこの2年間で多少は勉強させていただき,いくつかの課題も理解しました。最も大きな課題は,学会財政に深く関連した会員数,とりわけ正会員・賛助会員の減少傾向の是正かと思われます。これに関しては谷口前会長及び役員の皆様のご尽力により,学会の将来を見据えた会費値上げの断行や,より魅力ある高圧討論会を目指した新しい試みがおこなわれてきました。この間のこれらの改革の成果を踏まえて,さらに魅力ある学会活動をすすめたいと考えています。
高圧討論会が開始されてから今年の名古屋大での開催で58回を迎え,また本学会が設立されて28年になりますが,この間会員の研究分野が大きく変化していると感じています。地球科学や物性物理分野の会員が大幅に増加するとともに,最近では生命科学・食品科学分野の会員が増加傾向にあるようです。また,高圧討論会における発表数の減少が一時懸念された衝撃圧縮分野も,レーザー圧縮関連分野の発展に支えられて,復活の兆しがみえるのは喜ばしいところです。
一方で,討論会及び学会設立当初に大変重要な役割を果たした,化学や材料科学関連分野の会員数と討論会発表数が,やや減少傾向にあることが気になります。しかし全国的にみて,これらの分野に係る高圧科学技術の研究者は必ずしも減少しているわけではなく,本学会に十分に組織されていないだけのようにも思われます。学会財政のさらなる健全化・安定化,また高圧力に係るより広範な分野の研究者の結集のためにも,これらの分野を中心とした会員や賛助会員の拡大と,そのためのより魅了ある高圧討論会の開催など,会員にとって有益な学会事業の展開を目指したいと考えています。
本学会が直面している課題は色々ありますが,これらを一つずつ解決するとともに,本学会の大きな特徴である異分野間の交流をより一層すすめ,多様な分野の会員の皆様に「この学会に入って得ることが多かった」と感じていただけるような活動をすすめてまいりたいと思います。この2年間,ご協力よろしくお願い申し上げます。
〒790-8577 愛媛県松山市文京町2-5 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
Geodynamics Research Center, Ehime University, 2-5 Bunkyo-cho, Matsuyama, Ehime 790-8577
《2017年11月》
以前の「会長の挨拶」
-
「相互理解」と「融合」長谷川 正
《高圧力の科学と技術 第30巻第1号(2020年7月4日発行)巻頭言》 -
「異分野間の交流促進に向けて」谷口 尚
《高圧力の科学と技術 第26巻第1号(2016年3月1日発行)巻頭言》 -
「日本高圧力学会の役割について」高橋 博樹
《高圧力の科学と技術 第24巻第1号(2014年2月20日発行)巻頭言》 -
「高圧力学会の新たな出発に向かって」上床 美也
《高圧力の科学と技術 第22巻第1号(2012年2月20日発行)巻頭言》 -
「学会設立20周年を迎えて」上野 正勝
《高圧力の科学と技術 第20巻第1号(2010年2月20日発行)巻頭言》 -
「次代の人材を育む学会に」青木 勝敏
《高圧力の科学と技術 第18巻第1号(2008年2月20日発行)巻頭言》 -
「日本高圧力学会会長に就任して」財部 健一
《高圧力の科学と技術 第16巻第1号(2006年2月20日発行)巻頭言》